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ダンス・ダンス・ダンス

評価:
コメント:村上春樹/講談社/2004年

気がつくと無力感が静かに音もなく、水のように部屋に満ちていた。僕はその無力感をかきわけるようにして浴室に行き、「レッド・クレイ」を口笛で吹きながらシャワーを浴び、台所に立って缶ビールを飲んだ。そして目を閉じてスペイン語で一から十まで数え、声を出して「おしまい」と言って、手をぱんと叩いた。それで無力感は風に吹き飛ばされるようにさっと消えた。これが僕のおまじないなのだ。一人で暮らす人間は知らず知らずいろんな能力を身につけるようになる。そうしないことには生き残っていけないのだ。(『ダンス・ダンス・ダンス(下)』 22頁)

上下2冊。1冊約400ページと、それなりに長編だが、すらすら読めるのがうれしい。人生3冊目の村上作品だけれど、これは面白かった。この前に『羊をめぐる冒険』を読んでおいたおかげでストーリーにすんなり浸ることができ、『羊〜』で何を考えてるかわからなくて好きになれなかった「僕」に、今度はぐんと愛着がわいた。生活の中で、つい「僕」の真似をしてしまうくらい。意外とそれが楽しくて、何かの番組で「村上ファンは都会的生活に憧れている」みたいなことを言ってる評論家がいたけれど、それがなんとなく分かる気がした。もちろんそれだけじゃないだろうけど。クライマックスに突入し、エンディングが近づいてきた時に、読み終わるのが惜しい気がして、何日か読まずに放置したくなる感覚を久々に味わえた。

at 10:17, kazimierz, 書籍

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