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塩狩峠

評価:
コメント:三浦綾子著/新潮社/1973年

信夫はそれからは花をみる度に、押花にせずにはいられなかった。チューリップも、芍薬も、エニシダも、小さな花も大きな花も、押花にしてふじ子に送った。そのたびにふじ子から簡単だが心のこもった礼状がきた。信夫は、その手紙を一通一通白い半紙に包んで机の中にしまった。
役所にいても、花に目がとまると、ふっと白いふじ子の顔が瞼に浮んだ。ふじ子の病気が恐ろしいと思ったのは、初めのうちだけであった。人に嫌われる肺病になったふじ子が、何ともいえなく憐れであった。もう来年までは、生きていることのできないような気がして、信夫はそのふじ子の心になって花をみた。するとバラひとつ芍薬ひとつにも、何か涙のにじむような思いがした。(202-203頁)


キリスト教徒の人生を追った信仰告白書といった感じ。筆者が感じたことなどを盛り込んで多少自伝のような形も入っているだろうが、キリスト教徒ではない私にはすんなり納得できない部分も多々あった。例えば、信夫がキリスト教に惹かれるシーン。どうもあっさり転向してしまっている印象がある。女性の描写はなかなか魅力的で、心に来るものがあった。信仰がテーマのようなので、そういう意味では内容もひねくれていない。最期の一節はなかなかの名文。

at 21:46, kazimierz, 書籍

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